代表理事の挨拶
2022年7月1日付で一般社団法人RMAの第三代代表理事となりました植松慶生でございます。
一般社団法人RMAは、2009年に初代代表理事となった井須雄一郎氏の主導の下にJAB試験所協議会(JABLAS)として誕生し、2015年からは井口新一氏が第二代代表理事となって、誕生より13年余りが経過しました。この間、2013年に一般社団法人としての法人格を得て2015年に一般社団法人RMAと改名し、そのミッションを「信頼性マーケティングの推進」と定めるとともに、業務内容も試験所・校正機関向けの研修事業から今日では製品認証機関にもサービス対象を広げ、併せて個別支援(コンサルティング)サービスの業務範囲も拡大しています。
近年、経済のグローバル化が加速するなか、国際商取引において商品の信頼性の証明のためにISO/IEC 17025の第三者認定を取得した試験機関による試験報告書の発行が要求されるケースが増加しています。2011年の東日本大震災後に日本食品が各国で輸入禁止となった際に、カナダ、シンガポール、香港等の国・地域がISO/IEC 17025認定試験所による放射能測定結果をいち早く受け入れたことで農水産物の輸出が再開できたことは、第三者認定が試験機関の国際的な信頼性の証明であることを示しています。また、自動車産業において もIATF 16949認証の普及が進んでおり、その要求事項の中で試験、校正サービスを利用する場合に ISO/IEC 17025 の認定を取得している試験所・校正機関の利用が義務付けられていることから、認定試験所・校正機関の利用が進んでいます。
国際商取引だけでなく国内行政においても、厚生労働省が2016年に医療の品質確保のためにISO 15189に基づく臨床検査室の認定を取得した医療機関に診療報酬の加算を認めるなど認定の利用が進んでいます。
このように第三者認定を利用した適合性評価機関の能力証明は、世界中で顕著な広がりを見せており、試験所、校正機関、臨床検査室の認定数も確実に増加しています。
一般社団法人RMAは、このような状況の中で信頼性の構築のために認定の取得を目指している国内の試験所、校正機関、臨床検査室、製品認証機関その他の適合性評価機関の皆様に、適用される国際規格の要求事項解説や内部監査員養成などのセミナーの提供を行うとともに、認定取得に不可欠なマネジメントシステム構築、更には測定不確かさ評価や計量トレーサビリティ確保のための専門的アドバイスなどの技術支援を通じて国内の適合性評価機関の皆様が容易に認定を取得し維持できるよう引き続き貢献していきたいと考えております。
RMAの先頭文字”R”が示す”Reliability”は、適合性評価機関の皆様が第三者認定を通じて国内外の商取引の相手や行政当局に対して信頼性を示すことを意味します。二番目の文字”M”が示す”Marketing”は、適合性評価機関の皆様が世界で通用する信頼性をもって優位性のあるマーケティングを進めることを意味します。三番目の文字”A”が示す”Accountability”は、適合性評価機関の皆様が第三者認定を取得することを通じて構築したマネジメントシステムの下、適合性評価サービスを常に高い品質をもって提供することの責務を意味します。
このため、一般社団法人RMAは各種セミナーや支援サービスを通じてその信頼性構築にお力添えします。一般社団法人RMAの強みは、各分野で実績のある専門家を配置し、きめ細かいセミナーや支援サービスを提供することです。また、適合性評価機関の皆様に、そして将来的には適合性評価機関のユーザーの皆様にも有益な情報を提供することで第三者認定を受けた適合性評価機関の社会的認知度を高め、幅広い市場で適合性評価機関の活用が進むために全力で応援します。最後に、一般社団法人RMAは「信頼性マーケティングの推進」というミッションの下、自らが提供するセミナーや支援サービスも高品質且つ高コストパフォーマンスであることを常に意識し、時代の要請に合わせて適合性評価機関の皆様にご満足いただけるセミナー・支援サービスを提供できるように日々努力して参ります。
敬具
一般社団法人RMA 代表理事
植松 慶生